C-Trap®光ピンセット動的一分子解析システム(LUMICKS)

C-Trap®は光ピンセット・蛍光およびラベルフリー顕微鏡・マイクロ流路フローセルを組み合わせることで、一分子レベルでの核酸やタンパク質の動的解析が可能な装置です。光ピンセットでフローセル内の分子を自由に移動させ、顕微鏡により分子の位置や動きを可視化できるため、DNA結合タンパク質やタンパク質のフォールディング、細胞骨格とモータータンパク質との相互作用等の研究を促進します。

C-Trap の構成

C-Trapは以下の3つから構成されています。

① 光ピンセット
強力な集束光を備えたピンセットにより、どんな小さな物体でも捕捉できます。目的構造物(例:タンパク質液滴)の直接捕捉や、微細ビーズで目的分子を繋ぎ留める(例:2つのビーズでDNAを繋ぐ)ことができ、様々な条件で目的分子を操作することでその動力学的特性を調べることができます。

② 蛍光およびラベルフリー顕微鏡
蛍光およびラベルフリー顕微鏡では、光ピンセットで捕捉した分子とそれらと相互作用する分子をリアルタイムで記録します。複数の蛍光標識分子の同時解析、蛍光強度に基づく定量やラベルフリー微小管の動態測定などを行うことができます。蛍光顕微鏡もしくはラベルフリー顕微鏡のどちらを選択しても、目的分子に関する詳細情報を含む高解像度の画像を得ることができます。

③ マイクロ流路による層流フローセル
光ピンセットでトラップしたビーズを5つの層流チャネル間で移動させ、自由にサンプル構造物を調製可能です。

光ピンセットと蛍光およびラベルフリー顕微鏡

光ピンセット

光ピンセットは以下3パターンあり、それぞれ高度な操作機能を持ち解析目的に応じて選択できます。

Single trap

Dual trap

Quadruple trap

蛍光およびラベルフリー顕微鏡

蛍光およびラベルフリー顕微鏡は以下5パターンあり、解析目的に合わせて選択できます。

Confocal(共焦点)

DNAやフィラメントなどの一次元構造物の解析に適しています。同時に複数の分子を解析するため、最大3色の共焦点蛍光観察が可能です。

超解像 STED

共焦点からSTEDにアップグレードし、これまでにないほどの高分解能(< 35nm)での解析が可能です。

TIRF(全反射蛍光)

ガラスと液の境界面で励起光を全反射させ、液面に染み出した光(エバネッセント光)で境界面近傍の蛍光分子のみを励起し、一分子の蛍光も検出可能な感度を実現します。

Widefield(広視野)

溶液中の生体分子の動態を高い時間分解能で画像化します。低分子濃度で捕捉された構造物の高速タイムラプス動画の取得に適しています。

IRM(干渉反射顕微鏡)

蛍光標識不要で生物学的構造を可視化できます。シグナル/ノイズ比が高いため、高いコントラストと時間分解能で細胞骨格繊維とモータータンパク質などの細胞骨格結合分子との相互作用を動的に捉えることができます。

YouTube :C-Trapを用いた一分子解析のワークフロー

アプリケーション例

DNA結合タンパク質の解析

DNAポリメラーゼ、リボソーム、Cas9などDNA修復、複製、転写、編集およびクロマチン構造に関与するDNA結合タンパク質の構造、機能、動態を解析します。

タンパク質のフォールディング解析

高分解能の光ピンセットと蛍光顕微鏡を組み合わせることで、タンパク質のフォールディングやその活性、生物学的機能を決定づける構造変化を解析します。

相分離タンパク質の解析

タンパク質と液滴の集合と融合を測定し、コントロール条件下におけるわずかな液滴の特性と拡散を解析します。

細胞骨格構造と輸送の解析

微小管やアクチンなどの細胞骨格とモータータンパク質との活性、動態、機械的特性を解析します。

機械生物学(メカノバイオロジー)

外部からの機械的刺激やストレスが生細胞へどのような影響を及ぼすか解析します。

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