染色体構造の新たな知見：真核生物SMC複合体の1分子解析を通して【LUMICKS社主催ウェビナー】
LUMICKS社のC-Trap©光ピンセット動的1分子解析システムは光ピンセット、蛍光顕微鏡、マイクロ流路フローセルを組み合わせることで1分子レベルでの核酸やタンパク質の動的解析が可能な装置です。
本ウェビナーではImperial College London, MRC-LMSのLuis Aragon 教授をお招きし、真核生物のStructural Maintenace of Chromosomes（SMC）複合体とトポイソメラーゼの関係性について最新の知見をお届けします。これらの因子は、DNAと染色体の調節に必須であり、転写、DNA複製と修復、染色体分離など、DNAに関連する幅広いプロセスに影響を与えます。Aragon教授のチームでは、基礎研究を応用し、これらの因子を標的とする新しい治療戦略の開発にも取り組んでいます。
本イベントは日本時間の深夜開催となりますが、ご登録者様にはイベント終了後、録画配信のご案内がありますので、奮ってご登録ください。
日時
2025年3月27日（木）午前0時（日本時間）
※ご登録者様にはイベント終了後、録画配信をご案内いたします。
使用言語
英語
参加費
無料
演者
Prof. Luis Aragon Alcaide
Professor of Genetics, Imperial College London, MRC Laboratory of Medical Sciences
演題
真核生物SMC複合体の1分子解析
Single Molecule Analysis of Eukaryotic SMC Complexes
要旨
Structural Maintenance of Chromosomes（SMC）複合体であるコヒーシン、コンデンシン、Smc5/6は、染色体の凝縮、分離、DNA修復を促進し、ゲノム構造において重要な役割を果たしています。しかしながら、これらの複合体がさまざまなDNA基質と相互作用し、トポロジーの変化に影響を与えるメカニズムはまだ完全には解明されていません。我々は酵母コヒーシンおよびヒトSMC5/6を中心としたSMC複合体を精製し、二本鎖DNA（dsDNA）や一本鎖DNA（ssDNA）を含む多様なDNA基質上での挙動を、LUMICKS C-Trapを用いて1分子解析しました。さらに、4つのトラップを用いて、SMC複合体による、DNA架橋およびトポイソメラーゼIIα（Top2A）依存的なデカテネーション（脱連環）への影響を調べました。これらの知見は、コヒーシンとSmc5/6がDNA基質と相互作用する際の基本的な性質と必須条件、および2つDNA鎖を架橋する特性について、新たな洞察を与えるものです。
参考文献
Gutierrez-Escribano P, Hormeño S, Madariaga-Marcos J, Solé-Soler R, O’Reilly F, Morris K, Aicart-Ramos C, Aramayo R, Montoya A, Kramer H, Rappsilber J, Torres-Rosell J, Moreno-Herrero F, Aragon L. (2020). Purified Smc5/6 Complex Exhibits DNA Substrate Recognition and Compaction. Molecular Cell 80 (6), 1039-1054.
Lee B-G, Merkel F, Allegretti M, Hassler M, Cawood C, Lecomte L, O’Reilly F, Sinn L, Gutierrez-Escribano P, Kschonsak M, Bravo S, Nakane T, Rappsilber J, Aragon L*, Beck M*, Löwe J*, Haering C.* (2020). Cryo-EM structures of holo condensin reveal a subunit flip-flop mechanism. Nature Structural and Molecular Biology 27, 743-751.
Bardell-Cox O, White AJP, Aragon L*, Fuchter MJ. * (2019). Synthetic studies on the reverse antibiotic natural products, the nybomycins. Med Chem Commun 10 (8), 1438-1444.
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