PhenoImager HT Vectra Polaris – 組織切片定量解析イメージングシステム (Akoya Biosciences)

Vectra Polarisは、組織標本のイメージング・解析に要求される技術を集約した、イメージングシステムです。搭載するイメージングモダリティにより、定量解析に求められる高品質のホールスライドイメージ(バーチャルスライド)を作成し、臨床、トランスレーショナル研究から基礎研究まで幅広い用途で活用できる画像を取得します。
搭載する画像解析ソフトinFormは組織解析の要望に柔軟に対応し、Vectra Polarisにおいて取得した画像データを様々な視点から解析できます。

アプリケーション例

  • 組織微小形態に基づくサイトメトリーの実現
  • 細胞の組織空間内での分布・相互位置関係の解析
  • 多重免疫組織化学
  • 特殊染色標本の染色色素分離・定量
  • 染色組織標本・免疫組織化学の自動解析・数値化
  • 染色領域の面積算出

ホールスライドイメージング

  • 最大蛍光7色のホールスライドイメージを作成します。
  • 明視野でのホールスライドイメージングに対応します。
  • 蛍光イメージの自家蛍光スペクトル除去機能を有します。
  • 最大80枚の一括撮影処理が可能です。
  • 昼夜連続運転が可能で高い生産性を実現します。
  • 最大倍率40倍の高精細ホールスライドイメージング
  • 6LED light source励起により広範囲の蛍光色素に対応
  • パルスLED励起により、蛍光褪色を低減
  • 高精度リニアモーターによる高速・高精度スキャン

4枚装填カセットを20枚収容可能。
カセットハンドリングによりスライド破損リスクを大幅に低減します。

Vectra Polarisのホールスライドイメージ

Opal 7-color蛍光多重染色したヒト肺がん組織とHE染色
上段:バーチャルスライドイメージ。単一のFFPEブロックのセクションを一方はOpal蛍光多重染色し、他方をHE染色。
上段左:上段左:Opal 7-color(抗体6種 + DAPI)染色スライドの蛍光5チャンネルバーチャルスライドイメージ。蛍光スキャンでも露光ムラが少ない均一なイメージのため、視野の繋ぎ合わせが極めてスムーズに。
上段右:HE染色切片の明視野バーチャルスライドイメージ。Polarisでは10倍・20倍・40倍での撮影が可能。下段:上段バーチャルスライドの中心四角の領域の高倍率蛍光スペクトル分解イメージ(左)と、高倍率明視野イメージ(右)。
下段左:スペクトルイメージングでは従来の蛍光顕微鏡の性能を大きく上回る蛍光8 チャンネル(色素7種 + 自家蛍光)の色分解が可能。組織サイトメトリーに必要な高度なマルチプレックス免疫組織染色像を取得します。

スペクトルイメージング機能

  • 液晶同調フィルター(Liquid crystal tunable filter; LCTF)を用いたスペクトル撮影
  • 最大9色の蛍光スペクトル分離機能を備え、高度多重化染色アプリケーションに対応します。
  • 明視野でのスペクトルイメージング機能を有し、DAB発色、トリクロームなどの組織染色の解析を可能にします。

Vectra Polarisのスペクトルイメージング

Opal 7-color蛍光多重染色したヒト肺がん組織
左上:Opal 7-color(抗体6種 + DAPI)染色スライドの蛍光7チャンネルスペクトル分離イメージ。
右及び下の画像:左上の画像中の枠内を拡大し、各抗体ごとの蛍光チャネルを個別に表示。相互に干渉し合う蛍光色素による染色においても、各色素を明確に識別していることがわかる。

Tissue Phenotyping & Cytometry

腫瘍組織微小環境における細胞の表現型解析(フェノタイピング)と細胞一個単位での分子マーカーシグナル強度を解析します。細胞のサブタイピングとマーカーシグナルの定量を行うことで、疾患群ごと、治療群―未治療群間での免疫細胞の誘導効率の比較などの解析を実施します。

Vectra Polarisの仕様

装填可能スライド枚数80枚
撮影モード 蛍光および明視野
蛍光チャンネル数 ホールスライド:最大7色、単一視野:最大9色
スペクトルイメージング蛍光および明視野撮影で可能
解析ソフトウェアinForm (標準装備)
装置サイズ(幅/奥行/高さ)80 x 80 x 80 cm
装置重量80 kg
電源100-240 V、50-60 Hz

製品に関するお問い合わせ