Fida Neo – ナノ粒子サイズ・分子間相互作用解析システム (Fida Biosystems)

Fida Neoは流動誘起分散解析(Flow Induced Dispersion Analysis: FIDA)により、ラベルしたナノ粒子(インディケーター)の正確なサイズを決定することができます。また、本技術を応用し、サンプル固定なしで、溶液中での分子間相互作用のカイネティクス解析ができる画期的なシステムです。低分子化合物、タンパク質、ウイルス粒子、細胞外小胞、リポソームなどをラベルし、インディケーターとして取り扱うことができます。決定できるサイズ(流体力学的半径)幅は0.5 nmから500 nmです。インディケーターは血清や血漿、細胞破砕液、培地中を問わず様々なバッファー中で測定されます。1回の測定に必要なインディケーターの量はわずか40 nLですので、貴重なサンプルを効率よく利用することができます。

流動誘起分散解析システムFida Neoの特長

  • キャピラリーによる定量的測定
  • 0.5 ~ 500 nm までの流体力学的半径(Rh)の粒子サイズを正確に測定(粒子サイズの変化を5% まで検出)
  • 蛍光ラベルにより血漿・細胞破砕液中で直接測定
  • 少ないサンプル消費量:蛍光ラベルしたサンプル 40 nL、アナライト 4 μL ~(1 測定)
  • 10 pM ~ 10 mM オーダーの親和性を評価
  • ノンラベルでの精製タンパク質の品質評価
  • LLPS・凝集をスパイクとしてカウント
  • オートサンプラー付き(2×96 ウェル/ 2×50 バイアル)
  • 完全温度制御(4~55℃)
  • サンプル固定しない溶液中での分子間相互作用カイネティクス解析

測定メカニズム

キャピラリー内にサンプルを流すことで生じる分散の程度を解析します。テイラー分散法とストークス-アインシュタインの式に基づいて、拡散係数から流体力学的半径Rhを求めます。
詳細は以下の動画をご覧ください。

アプリケーション例

流体力学的半径(Rh)のわずかな変化(<5%)を検出する Fida Neoは、他の技術では真似することができない複数のアプリケーションを提供できます。

結合親和性

精製前のVHHの親和性と力価の決定により、クローンの選択が最適化されます(専用ソフトウェアによるサポート)。

結合親和性のカイネティクス解析

左図 平衡状態の二者混合液を添加することにより生じる平衡結合曲線。 右図 キャピラリー内で二者を混合し、流速をを変えることによりシフトした反応速度曲線。

定量化

左図 10% 発酵培地中での各エキソソーム濃度ごとの抗 CD81 の生データ。 右図 関連付けられた結合曲線は、結合した割合として表されます。

安定性

左図 0~7 M 尿素変性条件での HSA のアンフォールド曲線。 25 ℃での各尿素濃度ごとの HSA の Rh と SAXS との比較。右図 各尿素濃度ごとの 15 μM HSA の自家蛍光強度のエリア値。

オリゴマー化

pH5 では、オリゴマー状態はイオン強度に依存し、重要な静電相互作用を示しています。 温度の影響はそれほど顕著ではありません。25℃ の 20~80% の血漿中では、SabX は nMオーダーで四量体で存在します (Data not shown)。 90% 血漿中では、100 nM で安定することが出来ます。

凝集・LLPS解析

液滴シグナルスパイク(左図)とフェーズダイアグラム(右図)

凝集・粒子解析

AAV の分析: 流体力学的半径は 8.5 nm で、多分散性指数(PDI)は約0.2です。巨大な凝集体がスパイクとして観察されます(40 nL 中 830スパイク = 2.1x107 凝集体/ml)。

結合に関連する蛍光強度変化(BRIC)

100 nM E3 リガーゼの存在下で、各分子接着剤濃度 (それぞれMG1 および MG2) での 25 nM の標的タンパク質 (TP) の見かけの Rh。結合曲線から、TP、MG1 (オレンジ色の丸)、および E3 リガーゼの間の三元複合体形成を確認され、全体的な見かけの親和性は 11.1 nM、複合体サイズは 6.9 nm であった。

機能的相互作用解析による補助特性パラメータ

低分子結合: 100 nM TP の存在下での各分子接着剤濃度 (それぞれMG1 および MG2)での E3 リガーゼ-AF488 (25 nM) の蛍光ピーク面積。結合曲線により、MG1 と MG2 のそれぞれについて 47 nM と 270 nM の見かけの KD を求めることが出来た。

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