LunaCrosslinker – 3D培養モデル作製用光架橋装置 (Gelomics)

生体を構成する細胞は、組織ごとの機械的特性に合わせて調整されて正常な組織として成熟します。そして、その組織の成熟過程において細胞外マトリックスの硬さが重要であることが分かっています。また、がん化した細胞は周辺のマトリックスを変質させることで、最終的に上皮間葉転換やがん転移を引き起こすことも明らかとなっています。従来の2D 細胞培養はポリスチレンやガラスなどの平らで硬い材料の上で培養するため、生体内での細胞とは異なる挙動や形態を示しており、本来の細胞の環境を再現できていないという問題点がありました。

そこでGelomics 社は、細胞に最適な環境を提供するバイオインクLunaGel™ 光架橋性細胞外マトリックス(ECM)と、その硬さを自在に調整できるように設計された可視光架橋システムLunaCrosslinker™ を開発しました。LunaCrosslinker™ とLunaGel™ECM により、従来の2D 細胞培養方法では再現できなかった細胞本来の微小環境を3D 培養モデルとして作製することに成功しました。

LunaCrosslinker™光架橋装置

LunaCrosslinker™ は、LunaGel™ECM を硬化させるために設計された可視光架橋システムです。 高出力LED は、迅速で細胞に優しい架橋を促進します。LunaGel™ECM の硬さは、光架橋の時間を変更するだけで簡単に調整できます。

技術仕様
電圧: 12V (変圧器含む)
外形寸法 (長さx幅x高さ): 155 mm x 230 mm x 230 mm
硬化面の光強度: ~ 9 mW/cm2

LunaGel™ECM 光架橋性細胞外マトリックス (魚、ウシ、ブタ由来およびヒアルロン酸)

LunaGel™ECM の主な成分は、ECM タンパク質である I、III、IV、V 型コラーゲン、ならびに結合組織糖タンパク質およびプロテオグリカンです。 LunaGel™ECM は、天然のECM に似た有効成分を含んでいるため、細胞接着や細胞増殖・分化、遊走など本来の細胞の挙動を促す、微小環境を提供することが出来ます。

LunaGel™ECM キットは、凍結乾燥した光開始剤と滅菌済みLunaGel™ECM 溶液の2種類で構成されています。低剛性キット(0 ~ 6.5 kPa) および高剛性キット (0 ~ 25 kPa) の2種類のキットを取り揃えています。PBS で光開始剤を調製し、LunaGel™ECM および細胞と混合し、LunaCrosslinker™ を使用して溶液を光架橋し、3D培養モデルを形成します。照射時間を制御することで、特定の硬さを持つハイドロゲルを生成することができます。

LunaGel™ECM は、細胞の接着と増殖、幹細胞の培養と分化、機械的シグナル伝達アッセイ、がんスフェロイドアッセイ、血管新生アッセイ、3Dバイオプリンティング、組織工学など、幅広い用途で使用されていま

GelMA (魚、ウシ、ブタ由来)

GelMA は、滅菌凍結乾燥製品として提供されます。各アプリケーションに適した濃度のGelMA をPBS またはHEPES バッファーで調製し、光開始剤と混合して、ハイドロゲルを光架橋可能にし、37℃(体温)で安定させます。

GelMA は調整のし易さと特有の生物活性により、組織工学、3D バイオプリンティング、および 3D 細胞培養アプリケーションの生体材料として非常に人気があります。単独で使用することも、他の材料とブレンドして独自のプリント可能な細胞外マトリックスを作成することもできます。

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