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AbsoluteIDQ p180® Kit メタボライト186項目の測定キット (Biocrates)

BiocratesのAbsoluteIDQ® p180質量分析用試料調製キットを使用すると、主な代謝経路に位置する重要な代謝物を含む、様々な代謝物の情報を1回のアッセイで得ることができます。メタボロームは、生体内の各所で起こる生化学反応から生じる全ての低分子代謝物のセットを指し、動的かつ複雑です。 AbsoluteIDQ® p180キットにより、重要なバイオケミカルパスウェイの一部として既に同定されている様々な代謝物の定量的な解析が可能になります。その結果、メタボロームの変化と生物学的なイベントをリンクさせる基礎データを得ることができます。

カタログおよび資料・情報

ハイライト

  • 5つの化合物クラスに属する最大186種類の代謝物を定量
    • アシルカルニチン
    • アミノ酸
    • 生体アミン
    • 各種ヘキソース(ヘキソースの総量)
    • リン脂質及びスフィンゴ脂質(ホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン)
  • 化学的性質が同じで同位体ラベルされた内部標準を定量のために使用
    • 53の対象物において、絶対定量が可能とバリデーション済み
    • 大部分の内部標準を、本キットのプレートに事前にピペッティング済み
    • 7種類の濃度のキャリブレーションスタンダードミックスを同梱
  • 濃度の異なる3種類のコントロールを同梱
  • 特許取得済みのプレート構造により、試料抽出時に効率の良い誘導体化反応と高い再現性を達成
  • 96ウェルフォーマットでの標準化されたアッセイ
    • マニュアルはもちろん、自動化、ハイスループットの作業にも対応
  • 必要な検体量はわずか10 μL
  • 施設内において貴重な試料と機密データの取り扱いが可能に

AbsoluteIDQ®p180の主な特長

  • LC-MS / FIA-MS アッセイの併用
  • SCIEX社もしくはWaters社のトリプル四重極質量分析システムで使用できるようデザイン
    • 先進のトリプル四重極もしくはハイブリッド四重極イオントラップシステムは、広範囲でリニアなダイナミックレンジを実現
    • 正確性と精密性の高い定量解析が可能
    • 何百ものMRM pairsのモニタリングが容易、1回のインジェクションで多くの化合物をカバー
  • アシルカルニチン、ヘキソース、リン脂質及びスフィンゴ脂質をターゲットにした、FIA-MS/MSによる質量分析
    • ESI法によるイオン化
    • 高い特異性、感度を生み出す多重反応モニタリング(MRM)モード
    • 迅速かつ強力なアッセイ
    • シンプルなワークフロー
    • 確立された解析方法(先天性異常を調べる新生児検査に使用されている)
    • 定量には選択されたMRM pairsを使用
  • アミノ酸、生体アミンをターゲットにした、LC-MS/MSによる質量分析
    • 実績のある逆相カラム
    • 定量には選択されたMRM pairsを使用
  • 1プレート当たりの検体処理数は82
  • キットのワークフロー全体を管理し、代謝物の濃度の自動計算を行うMetIDQ? ソフトウェアを同梱
    • 統計解析を可能にする MetIDQ? StatPack ソフトウェア(オプションモジュール)
  • 機器のセットアップ、キットによる試料調製、ソフトウェアトレーニングを受けられる、オンサイトアプリケーションサポート

アッセイワークフロー

AbsoluteIDQ®アッセイのワークフローは、キットに同梱のMetIDQ®ソフトウェアによってコントロールされます。

プロジェクトのセットアップ・試料の登録からデータ処理まで、4つの個別のモジュール MetLIMS, MetConc, MetVal, MetStatが、ワークフロー中の各ステップを担当します。 右図はキットのワークフローを示したものです。

アッセイのワークフロー

アッセイの登録

アッセイの登録

MetLIMS は以下の項目を実行可能な柔軟なラボラトリー情報管理システムです。
  • 試料やプロジェクトの登録
  • ブランク、内部標準、クオリティコントロールの管理
  • 既存の試料リストのインポート
本ソフトウェアにより、MS用ソフトウェアで読み込み可能かつ、全試料の情報及びインジェクションシーケンスが含まれたファイルが自動的に作成されます。 このファイルが質量分析システムのソフトウェアに読み込まれると、acquisition batchが作成されます。その他、MetLIMSには以下の特長があります。
  • マニュアルもしくは自動化装置による検体調製用のワークリストの作成
  • 統計解析を効率良くするための試料への詳細情報の追加
  • バーコードの印刷

アッセイの準備

アッセイの準備

AbsoluteIDQ®キットに含まれるプレートは独自に設計されているため、手早く、簡単かつ再現性の良い試料調製と、生体試料からの効率の良い代謝物の抽出を行うことが可能です。
プレートの各ウェル内に内部標準を含ませることで、代謝物の定量時にエラーを起こす元となる多くの潜在的な要素が排除されます。 本キット付属のプレート(特許取得済)は、直接96ウェルプレート上で全ての試料調製ステップを行えるように設計されています。 アッセイの準備にかかる時間(3-4時間)には、検体のピペッティング、誘導体化、乾燥作業にかかる時間も含まれています。 96ウェルプレートの調製にかかる実際のハンズオンタイムは、わずか90分程度です。

質量分析システムでアッセイの実行

質量分析システムでアッセイの実行

試料の導入とLC-MS解析は、全てオートサンプラーとバイナリHPLCシステムを使用して行われます。オートサンプラーのセットアップを簡単にするダミープレートも同梱されています。 MS用の取り込みメソッドも提供されます。
FIA-MS/MS法では、各抽出された試料は陽イオンと陰イオンモードの両方で3分間のランによって、解析されます。
  • 陰イオンモードによる測定(1 IS):MRM (2 pairs)
  • インジェクション:2x 20 μL、流速:30 μL/分
  • 1試料当たりのトータルランタイム:約7分
LC-MS/MS法では、各抽出された試料はクロマトグラフィーで分離され、陽イオンモードで解析されます。
  • 陽イオンモードによる測定(25 IS):MRM (69 pairs)
  • インジェクション:1x 10 μL、流速:500 μL/分

MS用ソフトウェアを使用したLC-MS/MSによる定量

LC-MS/MSのラン終了後に、MS用ソフトウェアで代謝物の 濃度計算が行われます。
  • キャリブレーションスタンダードの濃度と定量メソッドは提供されます。
  • ユーザーによるピーク積分のチェックのみ推奨します。

質量分析データの変換

質量分析データの変換

FIA-MS/MSのラン終了後、MetIDQ®ソフトウェアにより自動的に1キット当たり約15,000個の濃度値が計算されます。MS用ソフトウェアと共にMetConcモジュールは、
  • データファイルを読み込み、MetIDQ®データベースにインポートします
  • 自動アルゴリズムにより、代謝物の終濃度を同時に計算します
  • 全てのMRM pairの定量時に必要な時間幅を決めるためにTotal Ion Count(TIC)を使用します

AbsoluteIDQ®p180 Kit付属プレートのバリデーション

AbsoluteIDQR p180 Kit付属プレートのバリデーション

得られたデータの品質評価は、MetValモジュールにて自動的に行われます。 MetIDQ®ソフトウェアの作業手順内のレンジセットを使用して、以下の項目から得られた値が調べられます。
  • ブランク
  • 内部標準
  • クオリティコントロール
規定の範囲外の値には強調表示が施され、この情報は結果の表にも反映されます。
バリデーションの結果は多彩な図表で表示されるため、ユーザーは取得した結果の正確性や品質の概要を簡単かつ包括的に得ることができます。

データの評価とエクスポート

データの評価とエクスポート

MetStatモジュールはアッセイの結果をまとめ、強力な検索フィルターを使用します。これにより、以下の項目を実行することができます。
  • 測定された試料及びそのデータを、代謝物の種類や濃度、量などで仕分けされた様々な表で表示
  • 測定データ(濃度や量)とバリデーションの結果を統合

最終ステップにおいて、濃度のデータは、その他のプログラムによる統計解析、バイオインフォマティクス解析用に、様々なファイルフォーマット(csv, xls, xlsx, xlm, txt)でエクスポートすることができます。

バリデーションの方法

バリデーションの方法

AbsoluteIDQ®キットはFDA Guidance for IndustryのBioanalytical Method Validationに則り、バリデーションが行われています。

正確性及び精密性のテストが実施済みです。変動係数(CVs)は様々な外部研究機関にて、異なる日に行われた実験により調査されています。CVsは15%以内で、異なる研究機関、異なる実験日であってもほぼ均一な数字を示しました。このことは、有用で再現性の良い値が得られることを表しています。

市販されているコントロール血漿を使用した別の試験により、本キットで決定されたアミノ酸の正確性は非常に高いことが示されました(右下図)。

アプリケーションとして利用できる領域

AbsoluteIDQ®p180キットは様々な代謝物を測定できるため、アプリケーションとして利用できる領域は多岐に渡ります。 基礎研究以外にも、製薬研究や臨床研究といった分野にも利用することができます。

AbsoluteIDQ®p180は、AbsoluteIDQ®p150キットよりも多くの種類の代謝物を調べることができます。例えば、本キットは細胞の成長や増殖の過程で中心的な役割を果たす生体アミンを調べることができます。「がん」を一例に取ると、急速に増殖をする組織には通常高濃度のポリアミンが見られます。このように本キットは様々な代謝物を調べられるため、多くの場面で利用することができます。

また、トランスレーショナルリサーチにも大変適しています。転写産物やタンパク質とは異なり、各々の代謝物は全ての種で同じものであり、一般的に重要な代謝経路は進化の過程で保存されています。したがって、培養細胞を用いた実験から前臨床の動物実験、臨床試験までの研究において、同一の解析方法が用いられます。

さらに、メタボロミクスは環境や運動の効果だけでなく、機能性食品の健康に対する効果を調査する、食品業界や栄養学における研究で使用するアプリケーションを変化させています。

代謝物の種類 生物学上の関連(例)
アシルカルニチン エネルギー代謝、脂肪酸輸送及びミトコンドリアでの脂肪酸酸化(MCADなどの先天性疾患)、ケトーシス、酸化ストレス、ミトコンドリアの膜障害(アポトーシス)
アミノ酸 アミノ酸代謝(PKU、MSUDなどの先天性疾患)、尿素回路、グルコース新生及び解糖の活性、インスリン感受性/抵抗性、神経伝達物質の代謝、酸化ストレス
生体アミン 神経障害、細胞増殖、細胞周期の進行、DNAの安定性、酸化ストレス
ヘキソース 炭水化物の代謝
ホスファチジルコリン 脂質異常、膜の構成及び障害、脂肪酸プロファイル、デサチュラーゼの活性
リゾホスファチジルコリン リン脂質の分解(ホスホリパーゼの活性)、膜障害、シグナルカスケード、脂肪酸プロファイル
スフィンゴミエリン シグナルカスケード、膜障害(神経変性)

結論

AbsoluteIDQ®p180キットは使い易く、多くの既知で内因性中間産物や主要な代謝経路の最終代謝物を定量することができる正確性の高いキットです。アッセイに必要な検体量は10 μlと非常に少量にもかかわらず、高い再現性を示します。
同梱のMetIDQ®ソフトウェアは代謝物の濃度を自動計算することで、データ解析を効率良くします。
ターゲットメタボロミクスであれば、AbsoluteIDQ®p180キットは代謝物の同定の必要がなくなるだけでなく、定量的でアノテーションのついたデータも作成します。バイオマーカーの探索もしくは代謝経路のモニターのどちらの目的であったとしても、迅速で信頼性の高い本アッセイは、コストパフォーマンスの高い手法をお求めの研究者にとって、魅力的なツールとなっています。特に、所属研究室内でクオリティコントロールのされた条件の下で、代謝物のハイスループット測定を望まれている研究者に推奨できるキットです。

カタログおよび資料・情報

お問い合わせ

カタログ  アプリケーションノート
 AbsoluteIDQ® p180 Kit の日本語資料  Application Note 1001-1_Animal Plasma
 Application Note 1002-1_3200QTrap
 Application Note 1003-1_CSF
 Application Note 1004-1_Tissue
 Application Note 1005-1_Urine
 Application Note 1006-1_5500QTrap
 Application Note 2001-1_Cell Lysates
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